大学は、コロナの影響で、対面授業が規制されてオンライン授業がメインになってしまいました。
春から夏にかけ、前期の授業が全てオンラインになってしまい、一度も大学に行くこと無く半年を終えた新入生も多いのではないでしょうか?
この記事では、大学の対面授業のメリットとデメリットについて紹介しています。
オンライン授業にはない良い点と悪い点を知って、規制緩和されたときに備えてみてください。
大学の対面授業のメリット6つ
大学の対面授業のメリットは6つあります。
それぞれ詳しく説明していきます。
対面授業のメリット①授業や課外活動を通して友人・知人ができる
対人関係の中で、会ってみないと分からないことって必ずありますよね。
オンライン授業でしか見たことが無かった人と偶然出会い、画面越しで見ていたのと顔や雰囲気が違ったり、思ったよりも身長が高い、なんて感じることもよくあります。
しかし対面授業では、直接コミュニケーションを取る事ができるので、相手がどんな人か、どんな雰囲気なのかが分かりやすく、五感で感じることが出来ます。
相手のことをより理解する事ができるので、信頼出来る仲の良い友人や知人を作りやすいんです。
人は五感を刺激させると印象に残りやすい
人は、五感を働かせることで印象に残りやすくなると言われています。
>コミュニケーションは言葉だけでなく五感の影響も強く、視覚、聴覚、体感覚は言葉よりも大きく影響しています。例えば、何故人はライブや舞台に足を運ぶのでしょうか。
五感に伝えるコミュニケーション研修 | BUNK UP
>それは、五感を刺激する空間があり、観客同士での共感の場が生まれるからです。
オンライン授業では「視覚・聴覚」しか使われないので、自然と人との関係性が希薄になってしまいがちです。しかし対面授業は「視覚・聴覚・触覚・嗅覚」を刺激されるので、様々なことが結びつき、より強固な印象になります。
また、授業外のサークル活動や交友関係が作れるので、それも学習に活かす事ができます。例えば、自分の場合はこんなことがありました。
- 授業の内容について、友だちや先輩と議論する事ができる(雑談も有効です)
- 自分が経験したことを他の人に話したり、逆に他の人の話を聞いて知見が広がる
- 課題を忘れていたことを、友だちとの会話の中で思い出す
- 周囲の頑張っている人から刺激をもらえる
対面授業のメリット②適度な運動とリフレッシュになる
オンライン授業では、授業も動画配信の形式が多く、どうしても自宅にこもりがちになってしまいます。
気が付いたら一日家から一歩も出ず、誰とも話していなかった、なんてことも大いにありえます。しかし対面授業であれば、大学に行くために、外に出て多少なりとも歩くことになります。
もともと大学生は一人暮らしをしている人も多く、孤独を感じやすい環境にあります。そこにコロナでさらに追い打ちをかけられている状態です。
人と話せず、家から出る用事もない。不況でバイトを解雇された。遊んでいると周りの目が冷たい……。そんな状態では抑うつ状態になってしまうのも不思議なことではありません。
実際、コロナの影響でうつ病の人が増えているというニュースがありました。
厚生労働省と警察庁が集計した速報値によれば、8月の自殺者数は1849人で、前年同月比で246人増えていた。
新型コロナが原因のこのような精神的な不調は、いま一般に「コロナうつ」と呼ばれている。うつ病の発症要因には、生物学的な側面と心理学的な側面があるといわれ、前者は(脳内で働く神経伝達物質でいわゆる「幸せホルモン」)セロトニン不足です。
セロトニンの分泌量は、日に当たらない、タンパク質が不足する、などの要因で減少し、運動をすると増加します。
「コロナうつ」には外出、運動、肉が効く? 急増する自殺の防ぎ方 | デイリー新潮
対面授業は、軽い散歩は脳を活性化させるという研究結果も出ています。運動不足の解消にもなりますし、外に出て歩くことで作業効率アップを図れることも分かっています。
外の空気を吸って景色を楽しむことだけでも、丁度いい気分転換になるのも大きいですね。
対面授業のメリット③オンラインではできない実習や体験ができる
医療や福祉の現場に関わる大学生や、実験を必要とする理系大学生は、設備の関係上、授業や研究をオンラインで行うということがなかなか難しいですよね。
音楽や美術など、芸術系の大学も、実習や実技演習が主としてカリキュラムが組まれているので、オンラインで授業を行うというのはなかなか考えがたいのではないでしょうか。
専門性が高くなるにつれ、実習などの必要性が高まる傾向にあります。「実際に行う」という参加型の主体的な学びには、対面授業が最も適しているでしょう。
対面授業のメリット④通信トラブルによる授業の中断がない
Zoomなどオンライン配信授業は、インターネット環境に大きく左右されてしまいます。
教授や他の学生の声が途切れ途切れにしか聞こえず、授業にならなかったり、逆に自分のマイクやカメラの調子が悪く、議論への参加が難しくなることもあります。
家のWi-Fiが遅ければまともに参加することが出来なくなるので、契約プランを引き上げて回線速度を上げる学生もいます。
対面授業のメリット⑤大学の便利な施設を利用できる
大学には、便利な施設が山盛りです。ちょっと挙げるだけでも以下があります。
- 学食
- 生協
- 研究室
- 図書館
- サークル棟
- 学生会館
- 体育館
- グラウンド
- プール
大学内の大きい食堂は、通常営業の時には20時~22時までやっている事もあります。学食は安くて美味しいので、学生の味方として重宝されています。遅くまで開いているのも食堂のありがたみを感じますよね。
中には、わざわざ学食を食べに毎日大学に通う人もいるほど……。一般の方が食べに来ているのを見かけることもあります。
また、大学生協の本屋は、生協加入者には本を一割引してくれるので、少しだけお得になります。授業を受けに来たついでに、空きコマで本屋を物色するのも楽しみの一つですね。
同じく、学内にジムや図書館やコンピュータールーム、自習室があったりと、大学によって個性豊かな設備が整っています。図書館が24時間開いている大学もありますね。
普段であれば使用できるそのような設備も、感染症対策により時間が短縮されたり、そもそも臨時休業しているところもあります。
対面授業のメリット⑥学習の成果が高い
学習の成果や習熟度については、オンライン授業に比べて対面授業の方が高いと実感する学生が多いようです。
こちらは、教育新聞のとったアンケートです。「オンライン授業の学習成果はどのくらい?」という質問に対して「大きく下回る」「下回る」と回答した人が50%以上を占めました。
裏を返せば、多くの学生が対面授業の方が学習の成果が高いと思っている事が分かりますね。
オンラインでの資料提示型の授業では、パワーポイントの資料が送られてくるだけというケースもあります。普段は先生が口頭で説明してくれるはずの所を、一人で資料だけを見て理解するというのはなかなか難しいですよね。
先生の何気ない一言が面白かったり、妙に納得することがあるのも、対面授業の醍醐味なのではないでしょうか。
また、オンライン授業はレポートなどの課題が中心になることが多いので、自己管理能力や強い意志が無ければ、いつの間にか〆切を過ぎてしまうことも……!
大学の対面授業のデメリット3つ
対面授業には、逆にデメリットも……。その中から3つ挙げていきます。
それでは、それぞれについて詳しく説明していきます。
対面授業のデメリット①コロナの感染拡大のリスクが大きい
すでに全国各地の大学でも集団感染(クラスター)が発生しています。
大学は様々な地域から大勢の人が集まります。また、有名大学などだと、二時間かけて他県の実家から通学している人も少なくないです。
コロナは無症状の場合も多いので、疑心暗鬼になり、大きなストレスを感じてしまうことも……。
自分に症状がなくても、学生たちは電車通学で「ここで感染ったらどうしよう」「家族に移してしまうかもしれない」「大学で広めてしまうかもしれない」などの不安を常に抱えることになります。
また、10~20代は重症リスクが低いと言われていますが、基礎疾患を持つ方や高齢の教授などには、通勤通学するだけでも大きな命の危険と隣り合わせになってしまいます。
対面授業のデメリット②早起き必須!自分の好きに行動できない
授業を受けるために大学に登校するとなると、時間に融通が利きにくくなります。
一限のために早起きして大学に行ったものの、その次の授業が四限で、二、三限が空きコマになってしまった、という状況になったら、どのように時間を過ごせば良いのか少し考えてしまいますよね。
しかし普段なら困る空きコマも、オンライン授業を受ける自宅なら、出来ることに選択肢が増えます。実際に、オンライン授業の空きコマの時間を使って新しい趣味が増えた、という学生も多く見られるようです。
また対面授業であれば、開始時間に間に合わせるために早起きをしなければなりません。そして早く起きるためには夜早く寝る必要があります。大学から遠い場所に住んでいる人は、通学のためにさらに早起きをしています。
帰る時間にも気を使う事になり、高校生のときと変わらない規則正しい生活を強制されてしまいます。「明日は一限があるから早く帰ろう」といった時間の制約も生まれます。
しかしZoom配信授業であれば、開始数分前に起きても、PCを起動してログインすれば即参加する事が出来るので、朝が弱い人にも優しいと言えます(笑)
対面授業のデメリット③出席を取られるため自分のペースで学習しづらい
対面授業では出席回数が重要になってきます。出席が足りなければそれだけで単位を落とすことも……。しかしオンライン授業では、「締切までに課題を提出すればOK」なパターンも多いので、比較的マイペースに学べます。
授業形態によっては、一日でまとめて授業を見たり、コツコツと毎日こなしたり、自分に合った学習方法で進めていくことが可能になります。
他の予定との調整がしやすいのも、色々なことに忙しく取り組んでいる大学生にはありがたいのではないでしょうか。工夫次第で全休も取り放題ですね。そして後から動画や資料を見返せるのも魅力です。
まとめ:大学の対面授業のメリットとデメリットは?
2020年は新型コロナウイルスが猛威を振るい、大学の授業形態が大きく変化してしまいました。教育現場に収まらず、ほんの一年足らずで様々なことが変わってしまいましたね。
しかし後期では、自粛体制が少し緩み始め、対面授業とオンライン授業が混ざった授業形態、「一部対面」という言葉がよく聞かれるようになりました。
久しぶりに対面授業を受け、そのありがたみを実感する一方、逆にオンライン授業とのギャップや、めまぐるしい環境の変化に混乱してしまう人も多いかと思います。
たくさんのことが制限されることで、これまで当たり前のように享受していた学習環境も当たり前ではないのだと考えるようになったのではないかと思います。
2020年、私達は新型コロナウイルスによって、世界的に明らかなる転換期を迎えています。「コロナ後」の私達の生活を考える上で、大学という教育現場の現状に向き合うことはとても重要な事だと言えるでしょう。
対面授業のデメリットは、裏を返せばオンライン授業のメリットとなります。双方の特徴や利点を活かしながら、現状を受け入れて活かすことが、これからの新しい生活様式に適応できるようになるコツなのかもしれません。
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